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日本のホップの生産量は減っている?

ビール造りに欠かせないホップ。

もともとは、ビールの腐敗防止のためにいれていたホップが、IPAは、そのホップの香りをふんだんに取り込み、独特の香味になり、「クラフトビールといえば?」で思い浮かびやすい香りとなっています。クラフトビールは、いろいろあるので、IPAだけではないんだけど。

最近は、日本でのクラフトビールの人気が高まっているからか、日本でホップを栽培する農家さんも増えているような印象で、「どうなっているんだろう?」と、そのホップについて、ふと調べてみようと、ChatGPTに聞きながら調べたら、

まず、こんなデータが出てきました。

日本のホップ生産量は大激減

日本のホップ生産量の推移

データのどころは、FAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations、国際連合食糧農業機関)という国際連合の専門機関で、食糧安全保障と農業の発展を目的として活動を行っている。その活動の一つに、統計データの提供というものがあり、各国からの公式データをもとにした農産物等のデータがそろっている。

そのデータを使って、「日本のホップ生産量の推移」をまとめたのが、上グラフ。

1960年代後半に、日本でのホップ生産量は、3000トンを超え、かなり急伸していることがわかる。しかし、その後ゆるやかに減少し、1000トンを下回る。2000年代に入っても、2009年にほんの少し飛び出ている以外、ホップの生産量は600-700トンあたりで落ち着き、ほとんど一定。

日本のホップ収穫面積の推移

同じデータ出所から、「日本のホップ収穫面積」をまとめたのが、上グラフ。

生産量と同じような動きで、1960年代後半に急伸し、その後減少し、2000年以降はだいたい一定、という感じになっている。1980年に、生産量のグラフでは大きく凹んでいるが、収穫面積では滑らかな減少しているので、その年が不作だったのだろうということが推測できる。

ホップ農家が増えているかどうかの動向は、このグラフからは読み取れない。

一方、世界での生産状況をみると、こんな感じになりました。

全世界でのホップ生産量は急増

世界のホップ生産量の推移
世界のホップ収穫面積の推移

「世界でのホップ生産量」と「世界でのホップ収穫面積」。データのどころは、さきほどと同じFAOより。

こちらは、日本とは逆に、ホップの生産量と収穫面積は、1990年代後半から2010年にかけて収穫面積が減少しているものの、その後かなり伸びていることがわかる。

また、ホップの価格をみてみると、こんな感じになりました。

ホップの生産者価格は高騰

為替や物価等の関係で、全世界での数値で見ると変な数値になるので、アメリカ国内での生産者価格に絞ってみてみると、上グラフになる。

2008年あたりで、価格が急騰し、その後落ち着き、再び価格が上がっているのがわかる。1990年と比べ、約3倍のか価格に。直近のデータは、2023年に1トンあたり11,905ドルになっている。

ホップ自体は、重さが軽い印象があるから、
ホップが1トンというのは、どのぐらいのものになるのかは想像しにくいので、試算してみると、

ホップの使用量は、IPAなどのクラフトビールでは幅があるので、
ここでは「キリン一番搾り」を例にしてみると、

  • 一般的なラガービール(ピルスナー系)のホップ使用量は 1Lあたり約0.2~0.5g
  • キリン一番搾りは香りと苦みのバランスが取れたビールなので、1Lあたり約0.3g と仮定
  • 1トン(1,000,000g)のホップで作れるビール量 =
    1,000,000g ÷ 0.3g/L = 約3,333,333L(約3,333kL)
  • 1Lのビールは 350mL缶約2.86本 に相当
  • 3,333,333L × 2.86本/L = 約9,526,000本(約952万本)

結果は、こんなことに、

ホップ1トンで作れるキリン一番搾り(350mL缶)の本数は約952万本!

2023年は、ホップ1トンあたり11,905ドルだったから、
一缶あたりに均すと、0.00124974ドル。

一缶あたりでみると、そこまで高いわけではないけど、大量にホップを使うビールメーカーには、かなりコスト増になるはず。

日本のホップ価格は海外の2倍

日本の農水省が公表している資料によると、ホップの価格で、国内生産と海外生産での価格は、こんな感じらしい。

国内のは海外の2倍ぐらいの価格で流通している感じ。こうしてみると、日本のホップ価格に、世界のホップ価格が追従しているようにも見える。

国内のは、ほとんど一定価格で落ち着いているから、契約農家などの形態で、予め決めた量と価格で引き取る形になっているのだろう。

日本のホップ生産量が700トン、1kg2000円で引き取られるとして、

700トン×2000円/kg×1000→1,400,000,000円→14億円

14億円の市場か。